記者「この度はお忙しいところ有難うございます」

手丹春氏「こちらこそお忙しいところへ、僕のような若輩者のインタビューありがとうございます」

記者「いえいえこちらこそ感謝しております」

手丹春氏「いえいえこちらこそ」

・・・


記者「では早速ではありますが今回新ホイールが完成したと連絡を頂きましたが、」

手丹春氏「あ、それはこちらです」



HPLUSSON
記者「ブログで絶賛しているArchetypeとRS300ハブの3クロス組の極普通のホイールですか?」

手丹春氏「極普通のホイールと言われてしまうと耳が痛いのですが、はいそうです」

記者「しかし手丹春氏が連絡して頂いたということは?」

手丹春氏「はいそうです。極普通のホイールに見えますが実は改善点が多くあります」

「まずは組み始めDS3クロスNDS4クロス組でしたが後半に組み直しを行った所です」

記者「何故組み直しを?」

手丹春氏「組んでいると直ぐ感覚でも分かってきてしまうのですがスポークテンションの差が場所ごとに大きく全然違ってきてしまい組みづらく不安要素がありました」

記者「確かコンセプトはロングライドで使えるノートラブルホイールでしたよね?」

手丹春氏「はい。なので適切なスポークテンション値に合わせやすくオーソドックスな右左3クロスです」

記者「オーソドックスは悪い意味では古臭いのですが良い意味では安定していると取れますからね」

手丹春氏「はい。僕はノーマルで頂点を取ります」
「そして今回一番の見所としてアルミニップル使っています」

記者「アルミニップルを?しかしコンセプトは・・・」

手丹春氏「そうなんです。ノートラブルホイールにも関わらず頭飛び報告が多数上がっているアルミニップルを採用しています」

記者「頭飛び、つまりニップルがニップルの役目をしなくなる訳ですがノートラブルからはかけ離れてしまいます」

手丹春氏「実はその頭飛びの要因なのですが実のところスポーク長が足りていないだけだと言われています」

記者「スポーク長が足りていない・・・ですか?」

手丹春氏「真鍮ニップルであればニップルの頂点までスポークのねじ部が届かない場合であっても問題はありません。しかしアルミニップルでスポークが頂点に届かない場合は頭が飛びます」

記者「それは何故でしょうか?」

手丹春氏「力の分散が出来なくなるからだと思います。スポークが短く首までしか入っていないなら首に多大な力が一点集中しますが頭までスポークで埋まっているとニップルねじ部全てに力が分散され飛びません」

記者「成る程。アルミニップル自体はとても良いものでしっかりと組み方を理解すれば問題はないのですね」

手丹春氏「初めて組む方や心配症の方には真鍮ニップルをおすすめしますが、手組みホイールを10本程度組むとアルミニップルも扱える技量になっていると思いますから是非やってみてください」
「あ、そうです。最後の見所として縦振れと横振れを過去最小限に抑えられました」

記者「今までは縦振れを許容していましたが今回のものはどの程度まで抑えられたのでしょうか?」

手丹春氏「そうですね今までですと1mmや2mmは誤差と言い張っていましたが今回は0.何ミリまで抑えています」

記者「プロの仕事じゃないですか!」

手丹春氏「スポークテンションは1100N程度にまで張っていて十分使えるホイールで縦振れと横振れもほぼ無いホイールです。我ながら最高の仕事だと思いました笑」

記者「良いホイールが完成してこちらまで嬉しくなってきてしまいます。今日はありがとうございました」

手丹春氏「またよろしくお願いします」